13.冒険者登録

2020年12月20日

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 冒険者ギルドに行った俺達。
 ここで、冒険者登録をすることで、依頼を貰え、それを達成したら金がもらえるというシステムらしい。
 依頼を取るだけなら、一人が登録しておけばそれでいいのだが、登録したものは冒険者ギルドの二階にある宿に安く泊まる事ができるというメリットがあるので、俺とレーニャが冒険者登録する事に。

 メクが登録しない理由は、ステータスを登録するさいに調べられるため、その時、はじかれる可能性が高いからだ。
 ただ、メクは人間扱いではなく、ペット扱いみたいにすれば、格安で泊まれるらしいので、問題はない。

 それで、俺達は冒険者ギルド内に入り、受付の男に冒険者登録をしたいと告げた。

「登録をしたいなら、最初にステータスを見せな」

 と言われた。いきなり見せなきゃならんのか。

「じゃあ、アタシから見せるにゃー」

 とレーニャからステータスを見せる。

 名前  レーニャ
 年齢  15
 レベル 30/55
 HP   103
 MP   30
 攻撃力 46
 防御力 34
 速さ  58
 スキルポイント 12
 スキル【獣化ビーストモード】 
 耐性 【毒耐性Lv1】

 そのステータスを見た受付の男は、

「へー。嬢ちゃんかなり強いじゃねーか。これなら合格だ」
「やったにゃー」

 良かった、合格したみたいだ。
 続いて俺だ。ステータスを受付の男に見せた。

「な、何だこのステータスは!?」

 受付が俺のステータスを見て驚いている。ちなみに今の俺のステータスは、

 名前  テツヤ・タカハシ
 年齢  25
 レベル 1/1
 HP   249/249
 MP   92/92
 攻撃力 92
 防御力 144
 速さ  90
 スキルポイント 6
 スキル【死体吸収】【鑑定Lv2】【隕石メテオLv4】【強酸弾アシッドショットLv2】【雷撃サンダーショックLv2】【吸い取り糸アブソーブスレッドLv1】【炎玉フレイムボールLv.4】【弱点結界コア・ガードLv1】
 耐性 【毒耐性Lv2】【雷耐性Lv1】【炎耐性Lv3】

 となっている。

「レベル1……だよな……なんだこの馬鹿げたステータスは。レベル60くらいのやつに匹敵する強さだ。しかもそう簡単に獲得不可能なレアなスキルを大量に持ってやがる……」

 顔を青くしながら俺のステータスを見ている。

「どうだ? 合格か?」
「……あんた本当にレベル1なのか? 何らかの方法を使ってレベルやステータスを偽装したりしてないよな?」

 と疑うような目で見てくる。

「してない。ていうか偽装できる方法なんてあるのか?」
「……いや、俺が聞く限りでは聞いた事ないが、あんただけが使える何かがあるかもしれん」
「そんなもんないよ」
「本当か?」

 その後、色々疑われ、結構無駄に時間がかかるが、

「分かった……登録してやろう」

 と受付の男は折れて、俺を冒険者に登録するといった。

「冒険者の証となるメダルだ。これを持っていないと、自分が冒険者であると証明できない。大事に持っておくんだな」

 そう言って、俺とレーニャに模様が刻まれた銅のメダルを渡してきた。

「登録したてのお前らはブロンズランクだ。依頼をこなせばすぐ上のランクに上がる。お前らならすぐ上がるだろう」

 俺とレーニャはメダルを受け取る。

「さっそく依頼を受けるか?」
「いや、今日はもう泊まって仕事は明日からにしたいんだが、このギルドの宿を借りられないか?」
「部屋は空いている。案内しよう」

 冒険者になり、今日はギルド二階の宿に泊まる事になった。
 本格的に仕事をするのは、明日からだな。

 宿に一泊して、翌日になった。
 朝食を済ませて、さっそく冒険者として、依頼を受けることにした。

 冒険者ギルド内には、依頼内容が書かれた貼り紙を貼る提示版があり、俺たちはそれを見る。

「まずは簡単な依頼がいいかな」
「わしは難しくてもいいと思うが、まあ、最初は簡単なのにするのが無難ではあるかのう」

 レーニャも特に異存はないようで、簡単な任務を受けることにした。
 依頼にはランクがあるらしく、Eが1番簡単でSが1番難しい。

 今回俺たちが受けたのは、Eランクの依頼。
 この町の近くにあるマレアの森にゴブリンの巣があり、そこのゴブリンどもは、街道に出てきて人を襲うので非常に困っているので、そのゴブリンの巣を潰してきてほしいという依頼だ。
 ゴブリン相手なら後れをとることはないだろう。
 報酬は25ゴールドと安いが、最初は確実にできるこの依頼で行こう。

 そういえば、巣を潰した事を証明するには、どうすればいいのだろう?
 俺は受付の男に尋ねてみた。
 ギルドには特殊な魔具があるらしく、町から一定の範囲内で起きた戦闘の記録を後から見ることが出来るらしく、それを見ればちゃんとゴブリン達と戦って、退治したかが分かるのだ。

 ちなみにこの町で受けられる依頼は、その魔具の効果範囲内に限定されている。

 俺たちは冒険者ギルドを出て、マレアの森に向かおうとする。

「テツヤ、お主武器を買わんでいいのか?」
「武器か。でも俺、剣とか使ったことないしな。ゴブリン相手に、剣を使う必要もないし」
「まあ、ゴブリン相手には素手で良いじゃろうが、これから強い敵と戦う時は、武器を持っておったほうがいい。使っていればなれるじゃろうし、今の内に買っておいたほうがよいじゃろう」
「それもそうだな」
「アタシも武器いるかにゃ?」
「レーニャは、ナックルがあればいいじゃろう」
「にゃくる? ってなんにゃ?」
「拳にはめる武器のことじゃ。お主は動きの速さがウリじゃからあまり大きな武器は持たんほうがいいぞ」
「よくわかんないけど、師匠の言う通りにするにゃん」

 俺たちは武器屋に行き、武器を購入。
 あまり品質の良い武器は買わなかった。
 扱いやすい軽い初心者用の剣を購入した。
 俺用の剣が20ゴールドで、レーニャ用のナックルも20ゴールドだった。今回の依頼の報酬より高くなった。

 しかし、剣なんて初めて使うしどう扱っていいものか。
 とりあえずは適当に振るか。

 武器を買った後、早速マレアの森に向かった。

 ○

 森まで歩いて体感30分くらいで、到着した。
 俺たちは森に入る。
 簡単な地図を依頼を受けるときにもらったので、それを頼りにゴブリンの巣を探す。

「この森にはあんまり魔物がいないんだな」

 数分森を歩いても、魔物に出くわさなかった。

「マレアの森は比較的平和な場所だと聞くのう。出るのはゴブリンくらいじゃろうし。でも、油断してはいかんぞ」

 ゴブリン程度なら、油断しててもやられなさそうではあるがな。

 しばらく森の中を歩くと、ガサッと音がしてゴブリンが3体出現した。

「にゃー!」

 真っ先に反応したレーニャが、ゴブリンをナックルで殴り一瞬で三体をいとも簡単に撃破。

 やっぱゴブリンは弱いよなぁ。

 流石に少し簡単すぎる依頼だったかな?
 まあ受けてしまったものは仕方ない。さっさと終わらせよう。

 忘れずにゴブリンの遺体を吸収しておこう。

 HP10上昇、MP2上昇、攻撃力2上昇、防御力2上昇、速度2上昇、スキルポイント2獲得。

 あれ? 一体だけ吸収したんだが、増えてね? 倍になってないか?
 さっきの奴が特別強い個体じゃなかったと思うけど。
 ほかの2体も吸収したら、やっぱりステータスの上がり方は同じだった。

 何だ? どういうことだ? 【死体吸収】のスキルレベルが上がった? いや、【死体吸収】って横にLvって書いてないから、多分強化されたりしないスキルなんだと思うけど。
 どういうことなんだろ?

「どうした? 何かあったのか?」

 メクが尋ねてきた。
 俺は事情を説明する。

「ふむ……【死体吸収】はレベルの無いスキルじゃから、強化されたとは考えづらいしの……正直わしにも原因は分からんな……もしかしたら、刻印が影響しとるかもしれん」
「え? この刻印が? 悪いもんじゃないのかこれ?」
「かもしれんと言ったじゃろ。全く見当はずれの考えだという可能性もある」
「うーん、そうか……」

 もしこの刻印のおかげなら、あいつは俺を強化してくれたのか……? いや、なんのために。

「まあ深く気にしてもしょうがないじゃろ。ここでいくら考えてもわからんことじゃしの。その【死体吸収】の能力についての情報も、これから調べる必要がありそうじゃの」

 まあ、そうだけど。仮に刻印の効果なら若干気味が悪い。
 本来なら強化されたのを喜ぶべきだが、あの黒騎士の禍々しい雰囲気を思い出すと素直に喜ぶことは出来なかった。

 その後、ゴブリンの巣を見つけて、あっさりと潰した。10体のゴブリンがいて、全て殺して吸収した。

 最初に吸収したゴブリンたちと合わせて、13体のゴブリンを吸収。

 HP130上昇、MP26上昇、攻撃力26上昇、防御力26上昇、速度26上昇、スキルポイント26獲得。

 あんなにあっさりと殺せたのにすげー上がった。
 完全に吸収力が前までの倍になっているっぽいな。

 強くなるスピードが速くなるのは嬉しいが、若干の気味の悪さを感じながら、メクとレーニャと共に街に帰った。

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