第三十一話 ダンジョン強化⑤
数ヶ月が過ぎた。
リックはとにかくDPを大量生産できる体制を整えるため、まずは二階横に作れるだけ大型ビルベシュ養殖所を作成した。
敷地面積的にはまだ余裕はあるが、一つの部屋に十までしか施設を建造できないという制限があったため、建造した数は十に留まった。
それでも効率アップを複数回かけて、一個の大型ビルベシュ養殖所から、一月1万DPの収入を見込めるようにした。
つまり、それが十個あるので、二階真ん中の部屋にある大型ビルベシュ養殖所の収入と合わせると、一月で10万6000DPの収入が見込める。
この体制を築くのに、かなりのDPを消費したので、現在の残りDPはない。
今までで稼いだDPの量は、11万DPだ。
そして一月後、10万DPの収入が入る
「これ何に使おうか。まだDP収入量上げたほうがいいかな?」
「うーん、十万DP入るようになったので、大丈夫だと思うのです。ここは魔物を増やして、戦力を増強しましょう! そうすればSランクのダンジョンだろうと、圧倒的な力でねじ伏せられるようになるはずなのです」
「そうだね。10万DP収入があれば、あと八ヶ月でBランクに到達できるからね」
リックは魔物を作ると決めた。
まず前回作ったAとBランクの魔物が40体残っている。
この際全部合成してしまおうと決めて、リックは合成を開始した。
全部で20回の合成ができ、必要なDPは六万DPである。
クルツやベリアスにも手伝ってもらい、何度も合成を行った。
前回は5回目でシロエの作成に成功したが、今回は20回とも全部Sランクの魔物であった。
一度作成したことのある魔物は、
・ファイアードラゴン
・エルダーアラクネ
・エンペラースライム×2
この四体だ。
そして、初めて作成した魔物は、
・エンペラーブルーリザードマン
リザードマンの最強種
・エンペラーゴブリン
ゴブリンの最強種
・アイスドラゴン
氷属性のドラゴン
・サンダードラゴン
雷属性のドラゴン
・リッチキング
リッチの上位種
・アークデーモン
デーモンの上位種
・グレートグリフォン
グリフォンの上位種
・アークサイクロプス
サイクロプスの上位種
・エンペラーオーク
オークの最上位種
・グレートワイバーン
ワイバーンの上位種
・ダイアモンドビッグタートル
ビッグタートルの最上位種
・オーガ・ロード
オーガの上位種
・スモールエンシェントドラゴン
エンシェントドラゴンの下位種
・フェンリル
狼系魔獣の最上位種
・エンペラーミノタウルス
ミノタウルスの最上位種
この十五体とそれから、エンペラースモールオーク♀を作成した。
「ここは……どこ?」
「お、おおおおお! すげー美人だ!」
とやたらベリアスが喜んでいた。
正直顔はオークなので、リックには美人かどうかの判別はつかなかった。
今回できた魔物は、エンペラースモールオーク♀を含め、言葉を理解し喋る知恵のある魔物も多くいた。
例えばエンペラーゴブリンとか、エンペラーブルーリザードマンとか、リッチキングとかだ。
とりあえず会話を出来るものには、名前を付けることにした。
ちなみにエンペラースモールオーク♀には、ピエナと名前が付けられた。
作った魔物はそのほとんどを三階に配置する。
残りのDPは4万6千ポイント。
「そういえば、魔物訓練所を作っていませんでしたね」
「えーと、それを作って訓練させると魔物が精鋭になるんだっけ?」
「そうなのです。精鋭になると魔物がより強化されてすごいのです。特にSランクの魔物みたいに強い魔物を強化すると、とてつもなく強い魔物になるのです」
「なるほど……じゃあ、やってみるか」
二階横にはもう施設が作れないので、三階横に部屋を作りそこに作ることにした。
500DP消費して三階横に部屋を作る。そして4000DPを使用し、拡大した。
それから魔物訓練所を五つ作る。一つ5000DPなので25000DP消費。
効率アップを三回かけて10500DPを消費した。
「一つの魔物訓練所で四体まで魔物を訓練することができるのです。効率アップを三回かけたので五十日くらいで、精鋭になっていますかね」
「よし、じゃあ早速さっき作った、二十体の魔物を訓練所で訓練させよう」
リックは魔物たちを訓練所に送った。
スポンサーリンク